欠点豆について

  珈琲は農産物です。ですから、すべての品質が均一というわけにはいきません。いろいろな欠点豆があります。

カビ豆
 不完全な乾燥、あるいは輸送中や保管中に湿気を帯びるとカビが発生する。除去しないと、てきめんにカビ臭が出る。

発酵豆
 収穫後の生産処理の遅れや設備の清掃不備等が原因で菌が付着し、まだら模様になってしまう。
 腐ったような異臭を放ち、煎り上がりも悪い。

死豆
 正常に結実しなかった豆。風味そのものが希薄で異臭の元となる。

ヴェルジ(未成熟豆)
 成熟する前に摘み取られた未成熟な豆。生臭くて、嘔吐を催しそうなイヤな味をもたらす。

貝殻豆
 乾燥不良や異常交配で発生する。センターカットから豆が割れてしまったもの。特に欠点ともいえないが、煎りムラに注意。

虫食い豆
 成熟前に、ブロッカーという蛾の幼虫が入り込んだもの。豆の表面に黒々とした虫食い状のしみを残す。珈琲液の濁りの原因になり、異臭を出す場合もある。

黒豆
 収穫前に地表に落ちてしまった豆が、長期にわたって土と接触していると、やがて発酵し、黒ずんでくる。珈琲液全体に腐敗臭がおよび、濁りの原因にもなる。

コッコ(ポルトガル語で糞の意)
 自然乾燥で果肉が残ってしまったり、脱穀不足が原因でこうなる。ヨード臭、土臭、リオ臭などが入り混じり、異臭を放つ。

パーチメント
 珈琲豆の果肉を内側から覆う内果皮のこと。焙煎すると火の通りが悪い。えぐ味や渋味の原因になる。

異物
 収穫した豆を天日乾燥する製法だと、石粒や木屑などが混じる場合がある。

これらの他にも割れ豆(精製・機械工程で砕けた豆)やレッドスキン(天日乾燥中に雨をかぶった豆)などがあります。